積水ハウス(大阪市)は3月25日、大阪ガス(大阪市)と共に太陽電池、燃料電池、蓄電池を備えた戸建て住宅と電力系統の関係について、1年間の居住実験を行うと発表した。4月1日から実際に人が居住する3電池設置住宅において電力系統への負荷を下げたり、外部からのエネルギー制御を行ったりする。
実験は奈良県北葛城郡王寺町の積水ハウス施工の延床面積138.8m2の戸建てで実施。出力5.08kWの太陽光発電システム、容量9.8kWhのリチウムイオン蓄電システム、燃料電池を搭載している。4月1日から2021年3月まで家族3人が居住する。
太陽光発電の量に合わせ、燃料電池や蓄電池の動きを制御。電力系統内でもし太陽光発電など再生可能エネルギーによる逆潮流と呼ばれる供給電力が過剰な場合は、燃料電池の発電電力を下げたり、蓄電池を充電したりするなどして、電力系統の供給バランスの維持を図る。また地域の発電や蓄電を一つの発電所のように束ねてコントロールする、仮想発電所の1つのリソースとして3電池住宅を想定し、住宅外部からの制御による電力調整も実施。これに伴う生活者への影響を評価する。
積水ハウスと大阪ガスでは2011年からこの3電池住宅での実験を行っている。2016年から2年間のリノベーションした同住宅での居住実験では、ネットゼロエネルギーを達成している。
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