『新建ハウジング』3月20日号
地域工務店の強み生かす「ミニ分譲」
柴木材店(茨城県下妻市)は、主力商圏のつくば市内で、「小さな森のある暮らし」をテーマに外構空間までつくり込んだ自社では初となる建売4区画のミニ分譲事業に取り組む。高さ8mを超える樹木を含む雑木林や農園、アウトドアを楽しむスペースなどを設け、地域の気候風土に適した「農のある暮らし」やコミュニティーの豊かさなども提案する。建売分譲という自社にとっては新たな事業領域にチャレンジし、「理想とする暮らしや街なみ」をつくり手が自ら発信する場を持つことで、その価値観に共感してくれる新たな顧客との出会いが主力の注文住宅事業にも波及効果を生むことを期待する。
理想の街並みや暮らしを提案
資産価値の維持を考えたプラン
同事業は、同社社長の柴修一郎さんが、「住宅と街並みを同時に計画して資産価値を維持する」という考え方に共感する、まちづくりプロデューサーの甲斐徹郎さんの協力を受け、プランづくりを行った。柴さんと社内の営業、設計5人によるプロジェクトチームが、甲斐さんを講師として、事業対象となる土地を題材に分譲事業のノウハウを学んだ。「コンサルに丸投げではなく、スタッフ全員で話し合い、手を動かして全てを決めたことがよかった」(柴さん)。
住宅は規格型の木造ドミノ
住宅は規格型「木造ドミノ」の標準モデルから、2階建てと平屋の2タイプを採用。敷地にあわせて下屋、ユーティリティ、ウッドデッキなど付属空間を自由に組み合わせる構成。
設計スタッフが1人1棟を担い、甲斐さんから学んだことをもとに、営業スタッフを含めたチーム全体で意見交換しながら、1年ほどかけて4区画分の住宅と外構が一体となった計画図面を完成させた。
分譲地の立地は、東京・秋葉原駅から快速電車で50分ほどの始発・終着駅「つくば駅」から徒歩で20分という好条件。敷地は高級住宅地の外縁に位置する約400坪で、坪単価は高級住宅地の4割ほど安い。だが、元土地所有地の都合で「建売分譲でしか供給できない」、また、つくば市の開発規制で「1区画90坪以上でしか分割できない」という制約があった。柴さんはその厳しい条件に「何か運命的なものを感じた」と振り返る。
現在、現地では各棟の建築工事が進む。大手ハウスメーカーやパワービルダーとの違いが際立つ工務店ならではの分譲区画の販売は、全棟が完成する6月から始まる予定だ。
森を守る使命感がコミュニティー生む
地域工務店がまちづくり転換の起点に
柴木材店(茨城県下妻市)は1967年創業で現在、社員21人、年間24棟の新築注文住宅を手がける。社長の柴修一郎さんは、7年前に代表を引き継いで以来・・・・
⇒ 続きは、最新号『新建ハウジング紙面 3月20日号』に掲載しています。
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