東京都は3月19日、水道スマートメーターを2030年代までに770万件あるとされる都内全戸に導入すると発表した。東京オリンピック・パラリンピックの選手村にも設置。2024年度までに10万個を設置する実証実験を行う。2022年度から実証実験を本格化。今後の住生活サービスの変化も見込まれる。
スマートメーター設置により検針の人手や手間が省ける他、検針票のペーパーレス化、早期の漏水検知にもつながる。さらにはデータの活用により、利用規模に合った適切な設備投資など効率的な施設運営を見込める。電気やガス業界と連携したビッグデータの活用、水道使用状況のリアルタイムでの把握による、高齢者見守りといった新たなサービスにもつながる。
都では大会後には約6000戸の住宅となる中央区晴海の選手村に設置。2019年12月に49個の総括メーターなどを導入し、今年の1月24日から定期検針を開始している。2023年度までに、選手村跡地マンション約6000戸を含む晴海地区の約1万3000戸を「先行モデル地域」としてスマートメーターによる効果を検証していく。
他にも実証実験では、港区のJR高輪ゲートウェイ駅付近の再開発や、2022年度以降に建て替えの都営住宅などでスマートメーターを導入していく。2022年度秋ごろには日々の水道使用量を日別や時間帯で見える化したものや、漏水などの異変を通知するなどの利用者向け新サービスも行う計画。小池百合子知事は3月19日の記者会見で「電気やガス業界とも連携し、新サービス創出や社会貢献もつなげられる。スマートメーターのコストがまだ高いので、例えば横浜や大阪など他の大都市とも連携し、市場を形成することでスケールメリットによるコスト削減につなげたい」と述べた。
住宅ビジネスに関する情報は「新建ハウジング」で。試読・購読の申し込みはこちら。