国土交通省は3月18日、2020年地価公示の結果を発表した。全国の全用途平均の変動率は5年連続上昇で前年比0.2ポイント上昇の1.4%、住宅地は3年連続上昇で0.2ポイント上昇の0.8%、商業地は5年連続上昇で0.3ポイント上昇の3.1%。札幌・仙台・広島・福岡の地方四市を除いた地方圏の全用途平均が0.1%、商業地が0.3%と28年ぶりに上昇、住宅地は0.0%と1996年から続いた下落が横ばいとなった。しかし、1月1日時点の地価動向で新型コロナウイルスの影響は加味されておらず、観光地などで今後が不安視される。
三大都市圏の全用途平均は0.1ポイント上昇の2.1%、住宅地も0.1ポイント上昇の1.1%、商業地は0.3ポイント上昇の5.4%。いずれも7年連続の上昇となった。地方圏は全用途平均が0.4ポイント上昇の0.8%、住宅地が0.3ポイント上昇の0.5%、商業地が0.5ポイント上昇の1.5%。地方四市は全用途平均が1.5ポイント上昇の7.4%、住宅地が1.5ポイント上昇の5.9%、商業地が1.9ポイント上昇の11.3%と好調となっている。
住宅地と商業地の変動率ベスト5は下記の通り。北海道倶知安町は人気のリゾート地。国交省によると店舗需要の他、北海道新幹線の工事のための作業員向けの住宅需要もあるという。沖縄県は2015年の伊良部大橋開通で観光客が急増した宮古島や、那覇市と周辺エリアの地価上昇が激しい。
一方の下落幅が大きい地域は災害が影響している。住宅地では2019年の台風19号で水没した長野市の北陸新幹線車両基地に近い長野-38が変動率ワーストで-13.6%のm2当たり3万2900円、そこに近い長野-25は-13.0%の同1万4700円でワースト2。武蔵小杉のある神奈川県川崎市中原区は、影響はさほどなく住宅地も商業地も前年並みの上昇となっている。
東京圏の住宅地で最も変動率が高かったのは東京都港区港南にある港-19の14.0%でm2当たり122万円。近くにあるJR山手線高輪ゲートウェイ駅開業効果とみられる。商業地は台東区浅草エリアの台東5-4の34.0%で同500万円。インバウンドの影響が大きい。
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