帝国データバンク(東京都港区)は3月17日、上場企業各社の適時開示情報やプレスリリース・ニュースリリース情報などの公開情報にもとづく「『新型コロナウイルス感染症』上場企業の影響・対応動向調査」の結果を発表した。「新型コロナ」によって工場や店舗などの休業、防疫措置など、何らかの影響を受けた上場企業の数は、昨年12月~3月15日時点までに全上場企業(約3800社)の約2割に当たる749社にのぼることが判明した。最も多い業種は「製造業」(251社)、次いで「サービス業」(161社)。建設業は12社、不動産業は20社だった。
影響を受けた749社のうち、具体的な影響も含めて業績へのマイナス影響に言及した企業は計337社。このうち、「影響の懸念がある」など「影響不確定」の企業は205社、月次の客足・販売の減少、下方修正などで既に業績への影響が出た・今後出る見通しなど「影響あり」の企業は132社だった。
工場等で生産調整や稼働停止といった、生産活動に影響が出た企業は87社。小売業やサービス業など「内需型企業」のうち、店舗や拠点の営業休止、営業時間短縮対応など営業活動に影響が出た企業は84社。サービス提供・イベントなどの開催中止・延期は109社に上った。自社や関連会社などで従業員感染が判明した企業は47社だった。
こうしたなか、テレワークやオフピーク出勤、特別休暇制度の取得推奨など、働き方の変更を表明した企業は判明分で173社。出張・プライベート等における海外渡航禁止・自粛の対応を取る企業は82社だった。
一方、拡大するテレワークやテレビ会議を支援するためのツール無償提供、臨時休校措置などに伴う児童への食事支援、ワクチン開発など、各種支援・サービスが判明した企業は68社。衛生用品の増産や販売など、需要拡大への対応が判明した企業も27社に上った。
帝国データバンクが今年2月に全国の企業を対象に行った調査では、新型コロナにより既にマイナスの影響が出た企業は約3割だった。企業が認識する新型コロナの影響度は2003年のSARS流行(「マイナスの影響あり」=17.1%)を既に超えたという。
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