YKK AP(東京都千代田区)は3月12日、既存住宅の性能向上リノベーションを実証するプロジェクトで、リューケンハイム(長野県佐久市)と共働で取り組んでいた、同社関東信越支社初めての物件「信州 小諸の家」が竣工したと発表した。小諸市内に建つ築45年の木造住宅を、「断熱」と「耐震」の性能向上にこだわり、現在一般的な新築住宅の性能を上回るレベルへとリノベーションした。
同物件では、窓を同社で最も断熱性能の高い高性能トリプルガラス樹脂窓「APW430」や、冬場の日射熱を取り込む高断熱の大開口スライディング窓「APW511」へ入れ替えたことで、住宅の断熱性能を示すUA値が改修前の1.45W/(m2・K)から0.24 W/(m2・K)に向上。長野の厳しい冬場でも、室内の体感温度が概ね13度を下回らないHEAT20 G2相当の居住空間となり、年間冷暖房費も6割以上削減可能となった。
耐震性能向上では、同社の開口部耐震商品「FRAMEⅡ」を採用。窓の数や面積を減らさずに耐力を増やしたことで、震度6強の地震でも倒壊しない耐震等級3相当の強度まで高めた。
また、新しい植栽を施すなど“庭空間”のリノベーションも行った。建物からの眺望や、庭へのアクセスをプランニングに盛り込むことで建物の間取りも大幅に変更した。
同物件は、両社のコンセプトモデルハウスとして事業者や一般向けに公開し、安全・安心で健康・快適な住生活をおくることができる「性能向上リノベーション」のノウハウ提供や、地域への情報発信に活用していくという。
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