大和ハウス工業(大阪市)は首都圏の都市部中心に3階建て戸建て分譲に注力する。年間50棟規模を100棟への拡大を目指す。一等地であれば、小区画でも積極的な土地仕入れを行う。
直近の例ではJR総武線飯田橋駅から徒歩6分の東京都新宿区内の立地で、7棟の小区画を開発。着工前に完売したという。他にも同線の千駄ヶ谷駅から徒歩2分で2棟、東京メトロ丸ノ内線新宿三丁目駅から徒歩9分で2棟といった事例もある。
戸建て分譲は2019年3月期で4万1619棟を販売し、注文住宅も含めた棟数で業界一の飯田グループホールディングス(東京都武蔵野市)の他、都心部はオープンハウス(東京都千代田区)が小規模な3階建ての販売で勢力を伸長している。大和ハウスでは建物のローコスト路線とは一線を画し、高級路線を展開する方針としている。
用地仕入れについては、大型案件は大手住宅メーカー他社や三井不動産レジデンシャル(東京都中央区)、野村不動産(東京都新宿区)といったデベロッパーとの競合が多く、小規模の郊外型案件については飯田グループ、東京都内一等地の3階建て用地についてはオープンハウスが一番の競合先という。
都市部以外では注文住宅で2019年に発売した、ネット販売限定の延床面積100m2弱で1978万円からという低価格の「ライフジェニック」や木造住宅を分譲住宅にも投入していく。大和ハウスによると消費増税の影響で2019年10月以降、分譲住宅も販売が落ち込み、2月は集客が良かったものの、今後は新型コロナウイルスの影響が懸念されるという。同社では分譲住宅の最新情報を求める顧客が入会する友の会会員への働きかけを強める。また、より需要低迷が危惧される地方では、広い駐車場などニーズに対応するため建築条件付き分譲で、土地と注文住宅をセットにした販売なども注力する。
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