大阪府住宅供給公社(大阪市中央区)は、公社賃貸住宅においてLPWA(低消費電力・長距離通信)規格の無線ネットワーク「Sigfox」と振動センサデバイスを活用した高齢者見守りサービスの実証実験を昨年12月から約2か月間実施し、このほどシステム構築に成功した。京セラコミュニケーションシステム(京都市伏見区)、Roots(大阪市北区)の2社と共同で実施したもの。
同実証実験では、「Sigfox」と振動センサデバイスを活用し、離れて暮らす親族がインターネット環境やスマートフォンなどを持たない高齢者の生活を見守るシステムとして構築・運用することで、「見守られる」高齢者側と「見守る」親族側の双方の不安軽減につながるかなどを検証した。
具体的には、高齢者宅(10世帯)の冷蔵庫ドアなど(1日1回は必ず開閉する場所)に振動センサデバイスを設置。高齢者が普段どおりの生活を送るなかで、デバイスが検知した振動を「Sigfox」ネットワークを通じて離れて暮らす親族に通知する仕組みを実証した。実験終了後に行ったアンケートでは、高齢者側と親族側の双方から、不安軽減に一定の効果があったとの回答を得たという。
3者は今後、共同でサービス実用化を目指し、公社賃貸住宅の入居者に対する導入を検討する。
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