総合不動産サービスを提供するコリアーズ・インターナショナル・ジャパン(東京都千代田区)は3月3日、新型コロナウイルス感染症拡大が国内不動産市場に与える影響についての考察と推奨をまとめたレポート「新型コロナウイルス:国内不動産市場に与える影響は?」を発表した。
同レポートでは、日本国内経済への懸念として、最大の貿易相手国である中国による「国内需要そして国内供給の両方への悪影響は今後数カ月にわたって徐々に顕在化していくだろう」と指摘。
また、中国からの観光客減少や輸入減に伴う国内サプライチェーンへの影響について、「中国からの需要低下により、商品市場価格指標は10%以上低下した。また内製される部品の生産量が減少するため、価格上昇だけでなく、予定されていた納期が3〜5四半期程度遅れる可能性も高まる」、「新型ウイルスが流行する期間の悪影響としては、投資活動の低下、貸借取引締結や更新の遅延、より安全な資産クラスへの需要は増加、一方リスクの高い資産ではリスク・プレミアムが上昇等」といった予測を示している。
投資家に対する推奨では、「投資対象として、近代的設備が不足する物流施設。アジア最大のイールド・スプレッドが確保できる東京オフィスを検討する」ことを推めた。
また、テナントに対する推奨では、「 移転計画、内覧活動、新築ビル竣工時期などは相応の延期が予見されるため、予定されていた貸借契約の更新などはやや前倒しで行っていく」、「公衆衛生の懸念が高まる中、働く場所の分散を可能とする『フレックス&コア』戦略を推進させる」、「郊外のサテライト・オフィスでの就業を可能とする『シティ・キャンパス』形式のオフィス設計を検討する」ことを挙げている。
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