リクルート住まいカンパニー(東京都港区)は3月3日、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、茨城県の関東1都4県の居住者を対象にしたウェブアンケート調査「SUUMO(スーモ)住みたい街ランキング2020関東版」を発表した。住みたい街(駅)の1位は3年連続で横浜だった。今回、初めて発表された「住民に愛されている街」の1位は片瀬江ノ島。住みたい街と愛されている街で大きく結果が分かれた。
両者のトップ10は下記の表の通り。住みたい街トップの横浜は年代別で調査対象となっている20代、30代、40代全てでトップ。さらにライフステージ別はシングル女性、夫婦のみ、夫婦と子どもでトップとなり、シングル男性だけが新宿、恵比寿に次ぐ3位だった。交通利便性や商業施設・文化娯楽施設、資産価値などで高く評価された。再開発が進み、5月開業予定のJR横浜タワーなどオフィスビルの増加の他、「うんこミュージアム」があるアソビルといった家族で楽しめる施設もできつつある。
前回に引き続き大宮が4位の他、浦和は2ランクダウンしたものの10位、19位には4ランクアップでさいたま新都心と埼玉勢が健闘。JR上野東京ラインと湘南新宿ラインが走り、上野・東京方面にも新宿・渋谷方面にもアクセスが良く、物件価格や家賃に割安感がある。横浜の70m2換算の分譲マンション価格が7023万円に対し、大宮は5127万円、浦和は5687万円。大宮駅前は東口・西口とも再開発が進む他、さいたま新都心はさいたまスーパーアリーナやショッピングモール、さいたま赤十字病院と県立小児医療センターと2つの大病院があるなど、県外からも含めたアリーナへの来場者が利便性に気づくケースも多いという。前回9位の武蔵小杉は、2019年の台風19号の影響もあり20位にダウンした。
住みたい街はJR・ターミナル駅が多く、メディアに露出するなど知名度が高い駅が多いのに対し、「住民に愛されている街」では私鉄・各駅停車駅が多い。1位の片瀬江ノ島や8位の鵠沼、10位の鵠沼海岸は、地元イベントなど住民同士の交流が盛んな他、海が近くのびのびと子育てがしやすい、税収が多く周辺より住民の税負担が軽いうえに神奈川県藤沢市の行政サービスが良いといった特徴がある。
3月3日に東京都中央区で行われた記者発表会でスーモ編集長の池本洋一氏は「住みたい街は人口流入の期待値だが、人が来ても離れてしまっては意味がない」と述べ、住民に愛されている街の調査も始めた意味を説明。「両面を見ることで街の魅力をトータルで考えることができる」と述べた。
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