国土交通省の国土交通政策研究所は2月25日、「空き家問題における土地・建物の所有者不明化に関する調査研究」を公表した。空き家への自治体の対応のうち、所有者調査を実施したのは回答した1172市区町村中84.9%で、そのうち7割で所有者等の所在の把握が難しい物件があった旨を回答した。また、近隣への聞き取りなど所有者探しに苦慮している実態も分かった。
2018年の住宅・土地統計調査では空家数は約846万戸、空き家率が13.6%に達している。1172市区町村のうち、空き家の「所有者調査を実施したことがある」との回答は84.9%、「所有者調査をしたことがない」が14.2%だった。きっかけは「住民等からの個別相談・苦情」が88.5%と最多。所有者調査の実績がある995団体のうち、「空き家対策の担当部署以外の部署と連携あり」で調査したのが72.4%だった。固定資産税情報のある税務部署が中心。所有者不明の土地・建物の確認状況は所有者不明物件を確認したことが「あり」が71.5%、「なし」が27.8%で、所有者調査を行った市区町村の7割は所有者不明物件の所在を確認したことになる。
所有者不明物件のある711団体における所有者確認に利用した方法は、「固定資産税課税台帳の確認」が95.1%で多いが、他にも「不動産登記簿の確認」79.5%、「近隣等への聞き取り」78.2%、「住民票の確認」76.7%、「戸籍謄本の確認」75.7%など様々な手法がとられている。負担や苦労が多い探索方法としては、「戸籍謄本の確認」が62.0%で最多。次いで「住民票の確認」43.5%、「近隣等への聞き取り」38.5%などとなっている。
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