東京都は2月20日、住宅政策審議会の今年度第2回企画部会を開催した。2021年末の新たな「東京都住宅マスタープラン」の策定に向け、現在のマスタープランで示されている8つの目標の現状と課題について話し合われた。
8つの目標は(1)子育て環境の向上(2)高齢者居住の安定(3)住宅確保要配慮者の居住の安定(4)既存住宅を含めた良質な住宅を安心してして選択できる市場(5)安全で良質なマンションストックの形成(6)都市づくりと一体になった団地の再生(7)災害時の安全な居住(8)活力ある持続可能な住宅市街地の実現。
子育て環境については「子育てに配慮した住宅のガイドライン」の他に、集合住宅には「子育て支援住宅認定制度」がある。2019年12月末現在で21件1189戸を認定している。既存住宅については、宅建業者や建設業者などがチームを組んで消費者にワンストップ対応を行う「既存住宅流通促進事業者グループ登録制度」があり、6グループが登録、34カ所のワンストップ窓口がある。都内に約184万戸あるといわれる分譲マンションについては、約20%が旧耐震基準とされている。4月からは条例に基づき、1983年以前に建てられた6戸以上のマンションの管理組合に対して、管理状況の届出が求められている。
出席した委員からは「既存住宅の流通と、管理などマンションの問題は一体で考えるべき」「良好な管理のマンションには固定資産税や都市計画税などのインセンティブがあってもいい」「修繕や管理がしっかりした既存住宅の評価をしっかりし、マイナスイメージを払しょくしたい」などの意見が出た。
住宅マスタープランは審議会の答申を受けて5年ごとに改定しており、前回は2016年11月の答申を受けて改定した。小池百合子知事は2月19日の都議会での所信表明演説で、新たな住宅マスタープラン策定を2021年末と明言。審議会ではこれに向け、新たな答申を2021年夏ごろに行う方針としている。
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