飛島建設(東京都港区)、住友林業(東京都千代田区)、ミサワホーム(東京都新宿区)の3社は2月20日、共同開発した軟弱地盤の改良工法を発表した。「丸太打設軟弱地盤対策&カーボンストック工法(LP-SoC工法)」と呼ばれるもので、従来の手法より丸太の本数を減らしコスト削減を行った。日本建築センター(BCJ)の評定も取得している。
地盤に丸太を打設し、空気と接しないように上に被覆土で覆い、その上に充填剤として砕石を被せてふたをする。他の杭工法とは違い、建物の基礎底版から杭となる丸太は離れ、底版にかかる負荷は小さいという。丸太の鉛直支持力以外に、地盤の支持力も考慮し計算できるようになっており、木造住宅であれば4階相当まで対応できる。2018年にも丸太を使った地盤改良工法を開発していたが、丸太と地盤による複合地盤の支持力による評定で従来工法より丸太を8分の1程度にまで減らし、コスト削減が図れるという。
木造以外に工法を問わないほか、戸建て以外に共同住宅や非住宅への利用も見込まれている。3社は住宅メーカーや施工会社など29団体が加盟する木材活用地盤対策研究会の会員で、今後は研究会内に3社を核とする技術委員会を設置し、認定・管理を行う。施工は研究会の会員に限定する方針。飛島建設の土木事業本部 プロジェクト統括部 木材・地盤ソリューションG部長の沼田淳紀氏は、2月20日に同社で行われた記者発表会で、「国産材の使用を推奨したい」と述べ、木材需要の創出にもつながることを説明した。
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