LIFULL(東京都千代田区)は2月6日、「2020年 近畿圏版LIFULL HOME’S住みたい街ランキング」を発表した。近畿圏の「買って住みたい街」トップは「本町」。前年の32位から一気に上昇し、初の1位となった。その徒歩圏内にある「堺筋本町」も、前回の35位から大きく上昇し3位にランクイン。本町エリアは2019年に大規模タワーマンションの建設が相次ぎ公表されたことから、注目が集まったものと分析する。2018年から2年連続トップだった「姫路」も2位と根強い人気を示した。神戸市西側の観光産業を中心とした経済圏の活性化が、依然堅調であることをうかがわせる結果とする。さらに4位の「大阪上本町」をはじめ、6位の「谷町六丁目」、前年の135位から急上昇した12位の「難波」など、大阪市中心部に「買って住みたい街」が回帰する動きが見られるとする。
「借りて住みたい街」は、2017年から4年連続で「三ノ宮」が1位。2位「新大阪」、3位「姫路」、4位「江坂」、5位「明石」と続いた。順位に若干の変動はあるものの、ベスト10は前回と同じ顔ぶれとなった。交通の利便性だけでなく、賃貸物件が豊富で比較的安価な賃料でも借りられるエリアの“人気固定化”が進んでいることがうかがえる結果となった。3位の「姫路」は、「買って住みたい街」でも2位にランクインしていることから、調査結果では事実上近畿圏の居住人気ナンバー1エリアとなる。10位以下では、11位の「伊丹」、16位の「十三」、19位の「阿波座」、21位の「西明石」、24位の「西大路」などが、大阪市中心部へのアクセスが良好なベッドタウンとして人気を集めた。ただし、27位の「茨木市」、35位の「茨木」、37位の「垂水」などの人気はやや低下。同じベッドタウンであっても開発・整備の停滞や、行政サービスにわずかな違いがあることで、人気に影響が出ているとする。
「買って住みたい行政区」1位は「大阪市中央区」。隣接する「大阪市北区」、「天王寺区」もそれぞれ4位および7位にランクイン。2位は前回1位の「西宮市」。3位には「吹田市」、5位には「豊中市」がそれぞれランクイン。行政区単位では明らかに大阪市中心部と阪神間・北摂エリアに人気が集まっているとする。また、「明石市」が10位、「姫路市」が11位に登場していることから、「買って住みたい街」ランキングでの人気が行政区レベルにも反映されているとする。
「借りて住みたい行政区」トップは、2年連続で「東大阪市」。将来的な交通利便性の向上によって、人気をさらに高める可能性があるとする。2位「尼崎市」、3位「大阪市北区」、4位「姫路市」、5位「西宮市」と続いた。大阪市内の行政区では、3位の「北区」をはじめ、6位「中央区」、8位「淀川区」など、ベスト30に11の行政区が名を連ねた。これは「買って住みたい行政区」ランキングの7行政区よりも多く、大阪市中心部への都心回帰は賃貸ニーズでさらに進んでいるものとする。なお、12位「左京区」、13位「伏見区」、20位「中京区」、24位「下京区」、25位「右京区」と、京都市11区のうち5区がベスト30にランクイン。賃貸ニーズでは京都市内の行政区も根強い人気があることをうかがわせる結果とする。
調査期間は2019年1月1日~12月31日。同社が運営する不動産情報サイト「LIFULL HOME’S」で住まいを探すユーザーの検索・問い合わせ数をベースにランキングを作成した。近畿圏は大阪府・兵庫県・京都府を対象。
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