三菱電機は1月29日、電気自動車(EV)の電気を家庭で使うためのパワーコンディショナーについて、小型化と高効率化に成功したことを発表した。現行機より体積を約半減させた他、1kW以下の低出力時の電力損失を約30%削減したという。同日に東京都千代田区の同社本社で記者発表会を行った。
現行機の大きさは高さ約120cm、幅約84cm、奥行き約45cmで、体積が約450L。開発した実証機では、EVや電力系統に電力を送るリアクトルと呼ばれる体積の大きい部品の小型化や、新たな高効率制御技術の導入などを実施。体積の約半減と、家庭での使用頻度の約70%を占める1kW以下の低出力時の電力損失の約30%削減を実現したという。通常、車庫にパワコンの専用設置スペースが必要で、「小型化で狭い車庫スペースでも設置可能になる」と三菱電機先端技術総合研究所電力システム技術部の東聖部長は語った。
EVは2019年11月以降、太陽光発電の固定価格買取制度(FIT)が順次終了していることと、災害時の非常用電源として利用できることから、蓄電池としての需要が拡大。それに伴いEV用パワコンも需要が見込まれ、三菱電機では現在の10億円の市場規模は今後10年で数百億円に拡大する可能性も見込んでいるという。新パワコンの発売は未定だが、現行機より低価格での販売を目指すという。
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