不動産評価サイトTAS・MAPを運営するタス(東京都中央区)は、東京23区における「賃貸住宅投資市場の回復余力」を推定、発表した。
東日本大震災で企業の移転・機能分散にともなう大量の人口流出が危険視されたものの、東京23区の賃貸住宅市場は「震災の影響をほとんど受けず回復基調は続いている」と指摘。そのうえで、世帯数と着工数がどの程度変化すると、東京23区の賃貸住宅市場の回復傾向が打ち消されるのかを分析した。
というのも、日本においては住宅投資の好不調を着工数の増加で判断する傾向にあるが、供給量の増加は需給ギャップの拡大、空き家率の増加につながり賃貸住宅投資にはマイナスにはたらく。世帯数と着工数の需給ギャップのバランスをみることで、今後の賃貸住宅市場の「回復余力」を予測した。
それによると世帯数の増加が現在の80%まで減少すると、2012年4月以降の需給ギャップが横ばいになることを確認。一方、世帯数はそのままで着工数が現在の130%まで増加すると需給ギャップが横ばいになることがわかったという。
同社は「首都圏で最も余力があると思われる東京23区でも、30%程度の着工数増加で賃貸住宅投資市場の回復基調が失われることが判明した」とする。
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