旭化成(東京都千代田区)と旭化成ホームズ(東京都千代田区)は1月8日、国立研究開発法人防災科学技術研究所(防災科研、茨城県つくば市)との共同研究で開発する、地震発生時の個別建物被害の即時推定が可能な「IoT防災情報システム LONGLIFE AEDGiS(ロングライフイージス)」の2021年度内運用に向けた計画概要を発表した。
同システムは、一定数のヘーベルハウスに設置する地震計が観測する地震動データと、防災科研の知見を活かした高密度な地盤データベース、地震動伝達に関する高速演算手法を組み合わせ、地震発生エリアに建つ全てのヘーベルハウス・メゾンの邸別の建物被害レベルや液状化発生状況を、地震発生後10分~2時間程度で推定するもの。
運用開始に向けたスケジュールは、今年4月から東京23区の約160か所(約2km間隔)のヘーベルハウスに地震計を順次設置。同時に、50mメッシュ単位の地盤データベースを整備し、2021年度末までに23区内全域に建つ約4万棟のヘーベルハウス・メゾンの地震発生時の即時被害推定を運用開始できるように準備を進める。また、有効性の検証と運用エリア拡大の準備を並行して実施し、2023年度末を目安にヘーベルハウス販売エリア全域への展開を目指す。
同システムでは、対象建物すべてに地震計を設置することなく、数多くの建物の被害状況を即時に推定できるため、低コストかつ短期間での運用開始が可能。災害時の応急・復旧サポート体制の強化につながる。同社はこの取り組みで得られる知見・データの官民含めた外部への提供や協業も視野に入れて同システムを活用していく。
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