『新建ハウジング』12月20日号
共存共栄のあり方を模索 古民家リノベを“オール住学(すがく) ”で
新潟県内の工務店や設計事務所など建築・住宅業界の有志や学生、一般の人たちなどが楽しみながら家づくりについて学び合う場でありコミュニティーでもある「住学(すがく)」(校長=佐藤高志・サトウ工務店社長)から、地域のつくり手たちが“協働”してプロジェクトを進めていく新しい形が生まれようとしている。古民家のリノベーション案件のコンペで競った住学のメンバー同士が、現在はコラボしながら設計を進め、着工に備える。今後も、メンバーの一部が施工に携わったり、住学全体で工事(現場)の進捗を“見守る”などしながら、同案件をモデルに地域のつくり手の「共存共栄」のあり方を模索していく考えだ。
きっかけはメンバー同士が競ったコンペ
12月7日、新潟市内でメンバー約70人が参加して開いた住学では、同コンペで競った、校長の佐藤さんや教頭の鈴木淳さん(ネイティブディメンションズ一級建築士事務所代表)さんら住学メンバー6人で構成するサトウ工務店チームと、建築家の石田伸一さんが率いる石田伸一建築事務所が、それぞれクライアントに対して行ったプレゼンを、そのまま再現するというユニークな勉強会を行った。
同案件は、年間の多くの期間を海外や東京都内で暮らす大手企業役員のクライアントが、新潟県内の旧宿場町に購入した築60年の古民家(木造2階建て約70坪)を、会社の仲間や海外から招く友人らを迎えることもできる新潟での暮らしの拠点としてリノベーションするというもの。すでにコンペで、石田事務所が設計・監理を手掛けることが決まってはいたものの、コンセプトメイクやプランづくり、プレゼン手法など、さまざまな面で「住学メンバーにとって大いに参考になるはず」との考えから、両者のプレゼンを公開の場で再現するという勉強会の内容が固まった。
コンペのテーマは、プリミティブな古民家の魅力を残しつつ快適な居住環境を確保するというもの。再現版公開プレゼンで、サトウ工務店チームの佐藤さんと鈴木さんは、「re locale(リ・ローカル)」をコンセプトに掲げ、「建物と共に周辺の集落の記憶もつむぎ、建物の再生にあわせて地域のコミュニティーや文化の再生にもつながるようなリノベーションを目指しましょう」と訴えながら、細部までつくり込んだ建物や敷地のCGによりプランの概要を説明した。
一方、石田さんは「AIG HERITA GE(エイジヘリテイジ)」をコンセプトに「人と土地、人と人、過去と今と未来をつないでいく家を目指したい」としながら、敷地内にあるスギ林の中に舞台やツリーハウスをつくるといったアイデアを披露した。
住学(すがく)が活動をスタートしてから約2年、発起人で校長を務める佐藤高志さん(サトウ工務店社長) は・・・・
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