国土交通省は12月18日、大和ハウス工業(大阪市北)から、同社社員349名が保有する施工管理技士について、受検時における実務経験に不備があったことなどの報告を受けた。今年10月23日に不備の可能性について報告を受けて調査を指示していたもの。
同社の報告によると、これらの不正取得によって資格要件を満たさない者を、同社の16件の工事で監理技術者・主任技術者として配置していたほか、4営業所で専任技術者として配置していた。既に退職した社員35名についても、同社の2営業所で専任技術者として配置していた疑いがあることが分かった。
同社は今回の事案が発生した主な原因として、複数の種類の技術検定を受検する際に、本来、種類ごとに必要な実務経験を重複して計上し、それを証明する会社としての確認も不十分であったこと等をあげた。今後については、社内のチェック体制を強化する等の再発防止を図ることを報告した。
同省は同社に対して、所有者等に対する丁寧な説明、物件調査の迅速な実施及び報告、既に退職した社員に関する対応、原因の究明及び再発防止を徹底するほか、これらの検討について、第三者の有識者の参画を得て実施し、改めて同省に報告するよう指示した。
そのほか、同省は同社からの報告を受け、不正の手段によって技術検定を受け合格した事実が明らかとなった合格者に対し、当該合格を取り消すとともに、3年以内の期間を定めて技術検定の受検を禁止する手続きを行う。指定試験機関に対しては、「受検の手引き」における「実務経験証明書の作成に当たっての注意」の改善等、再発防止策の検討を指示する。建設業団体に対しては、今回の事案を周知し、実務経験の厳格な確認を要請する。
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