大林組(東京都港区)とLaboro.AI(ラボロエーアイ、東京都中央区)は、AIを使って建物の揺れを制御する技術を共同で研究開発。揺れを大幅に抑える高い制振効果が認められたという。
建物内部に設置された重り(マスダンパー)の動きをAI制御することにより、揺れにくい環境をめざすプロジェクト。
まず、ラボロエーアイが物理計算にもとづくシミュレーション環境を構築して制振効果が高い制御則を導き出し、それを大林組技術研究所内の実験体(橋)を使って検証。橋の上を実際に人が歩く際の振動を制御対象として、AIがマスダンパーの動きを制御できるかどうかをみた。
機械学習手法の1つである「強化学習」を用いたAIを採用。ゲームなどのシミュレーション環境で活用されてき強化学習を物理的な現場に応用したもので、AIが試行錯誤を経て、どのように行動すればいいかを自ら習得していく。今回の検証では、100回目くらいから徐々に揺れを抑えることを学び始め、6500回目には2秒ほどで揺れを抑えるまでになった。
この成果を踏まえ、実用化をめざすとともに、建築物や公共交通機関、半導体製造などの分野にもAIによる振動制御を応用していく。
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