パナソニック(大阪府門真市)ライフソリューションズ社はこのほど、強化ガラス仕様の真空断熱ガラスと、透明ピラーの実用化に成功した真空断熱ガラスの2種を新たに開発してバリエーションを強化した。前者を2020年度上期、後者を2020年度内に発売する。
強化ガラス仕様の真空断熱ガラスは、独自の「超低温封着材」を開発し、強化ガラスの強度が低下しない温度帯での溶着を実現したもの。強度が高く、割れた際にも破片が粒状になることで怪我をしにくい特徴を備える。同社のプラズマディスプレイで培ったノウハウが活かされているという。
透明ピラーの実用化に成功した真空断熱ガラスは、新たに「高強度断熱透明素材」を開発することで実現した。真空下で構成材料から発生するガスを吸着する「ガス吸着材」を、目立たないガラスの端に設置する独自の構造と組み合わせ、高断熱でこれまで以上にピラーの存在感を抑えたノイズの少ない視界を得ることができる。通常、ピラーには1つ当たり約200MPaの圧力がかかるため、これまで金属などの高強度の素材が使われ、透明化が困難だった。
そのほか、同社は今後、真空断熱ガラスの名称を「Glavenir(グラベニール)」として認知拡大を進め、様々な用途での提案を図る。新名称は、真空ガラスがガラスに画期的な断熱性を持たせ、新たな世界の未来を創ることを願ったもの。「Glass」(ガラス)と「Avenir(フランス語で『未来』)」を組み合わせた。
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