工学院大学(東京都新宿区/八王子市)は11月29日、同大学の後藤治教授(総合研究所)を中心とした建築学部の研究グループと能美防災(東京都千代田区)が、水に無機物を分散させた高粘度液体を用いた消防技術を産学共同で開発したと発表した。
文化財等の火災の拡大や延焼防止に効果を発揮するもので、粘度の高い液体が茅葺き屋根など伝統的建造物に付着し空気を遮断、燃焼を抑制するという。高粘度液体は水に比べて流れ落ちにくいため散布量が少なくて済み、水源の節約が可能。水での洗浄も容易で、建造物への跡残りや環境への負荷を心配せず使用できる。
同技術を利用した装置は、金沢八景権現山公園(横浜市)にある旧円通寺客殿に寄贈することが決定している。
今回の技術の一部は、消防庁「消防防災科学技術研究推進制度」による研究成果であり、実験については東京理科大学の協力(松山賢教授および火災安全科学研究拠点の施設の利用)を得て行った。
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