オズ・ワーク(大阪府高槻市)はこのほど、京都大学大学院人間・環境学研究科の酒井敏教授が考案した「フラクタル日よけ」を金属製で具現化した新製品「金属製フラクタル」をパーゴラに設置し、暑さ指数(WBGT)を計測した。その結果、基準点(日なた)と比較して約3度の差を確認した。
フラクタルとは、図形の部分と全体が自己相似となっている幾何学の概念で、樹木の枝分かれ、葉脈の模様、地形などに見られる。「フラクタル日よけ」は、放熱効果が高く、日よけ自体の温度が極端に上がらないため、暑さを感じる輻射熱 (照り返し)を抑えられる。
今年8月9日に行った日なたと「フラクタル日よけ」下でのWBGT計測では、日なたが平均32.4度に対して、「フラクタル日よけ」下では平均29.3度と約3度の差が出た。また、12時時点の地表面温度は、日なたが61.0度だったのに対し、「フラクタル日よけ」下は41度と20度低下していた。遮熱性のある折板屋根で完全に日影になるカーポートとの比較も行い、ほぼ同等の数値となった。
同社は今後、公園・団地などに見られる日よけのないパーゴラや、保育園・幼稚園の園庭、屋上園庭、駅前広場など人が多く集まる場所への設置等、同製品を用いた暑さ対策とクールスポット創出を提案する。
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