高額商品の現状と機会
一方で「高額商品支援を強化する」という回答はほとんどなかった。
だが、一定の予算をもつ「ハウスメーカー客」はどのエリアにも確実に存在する。性能面でみると工務店とハード面の差がほとんどないことを考えると、高額商品でハウスメーカー客を積極的に取っていくことも選択肢となるはずだ(性能の差がなくなったからこそ、最近のハウスメーカーは工場生産やスマートハウスをアピールしていると言える)。
ハウスメーカー客(ハウスメーカーを第一選択肢に考える層)は、「非こだわり派」と「こだわり派」に分かれる。
割合は前者が多いが、この層は会社の信用力+人の善し悪しでつくり手を選ぶ傾向がある。選んだ決め手を聞くと「営業マン」と答える人たちだ。
工務店がこの非こだわり派を取っていくには、ネットワークの信用力・ブランド力と、スタッフ教育を始めとする支援が効果を発揮するだろう。
後者のこだわり派は技術系の仕事につく男性もしくは公務員が中心で、ハウスメーカー同等以上の技術力・性能+コストパフォーマンスが決め手となる。それには最新技術のキャッチアップ、性能の見える化、さらにはコストパフォーマンス向上に向けた支援が必要となる。
設計力=「きちんとかたちにする力」も依然として高額層にアピールする(これにデザイン力が加わればベスト)。
その点で、設計力の高さが性能と心地よさに直結する「パッシブデザイン」には、ハウスメーカーとの差別化という意味でも可能性がある。
工務店の設計力向上支援に加え、設計力の高い建築家と工務店のマッチングも一つの解となるだろう。
さらに「内と外」の提案、つまりは内:インテリア・家具、外:庭・外構の提案が加われば強い。本部としてはその提案支援にも可能性がある。
※住宅ネットワーク本部へのアンケート結果は新建ハウジングプラスワン2011年10月号に掲載しています。読者以外の方で内容をご覧になりたい方は[試読制度]をご活用ください。
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