今年7月、フランク・ロイド・ライトが手がけた建築群8カ所が世界文化遺産に登録された。そんな偉大な建築家・ライトの建築思想とデザインを受け継ぎ、「オーガニックハウス」のブランド名で住宅FCを展開する日本オーガニックアーキテクチャー(名古屋市)の石原成社長に話を聞いた。
石原 成 氏
日本オーガニックアーキテクチャー 代表取締役社長
米国フランク・ロイド・ライト財団のライセンスを日本で独占的に展開するフランチャイズチェーン「オーガニックハウス」 本部を運営する日本オーガニックアーキテクチャーの代表取締役社長を務める。デザイン性の高さを特徴とし、高価格帯でブランド展開、加盟店は全国120店。
ライトのすごさ
F.L.ライトは、91年の生涯で1000軒以上の建物を設計し、実際に建てられたもののうち約300軒が現存します。なかには、築100年を超えてなお現役で、手入れをしながら長く大切に住み継がれている住宅もあります。
ライトの建築デザインが、亡くなって60年経ったいまでも色褪せず、むしろ価値を増し、世界中を魅了するのはなぜでしょうか。それは、心からくつろげ、時間とともに愛着が増す“感性”を満たす家だから。そこに彼の建築の “本質”があります。
ひるがえって日本の住宅はどうでしょうか。やっと手に入れたマイホームが、築5年ほどで流行遅れのデザインになり、35年ローンを払い終える前に資産価値がゼロになる。どう考えてもおかしいと思うのです。
本質を継承する
ライトの建築思想が根付けば、日本の住宅のあり方も変わるはず̶̶そんな切実な思いをもって、日本オーガニックアーキテクチャーは17年前に活動を始 めました。
ライトの建築デザインを表面的に模倣しようと思えばいくらでも可能です。現にハウスメーカーの多くが、ライトを教本にしたと思われる商品をいくつも販売しています。ただし、外観を似せても、中身が伴わなければ築25年以内に愛着と資産価値は失われてしまいます。
私たちがこだわってきたのは、ライトの“本質”を継承すること。そのために、米国フランク・ロイド・ライト財団と正式なライセンス契約を結び、世界的ブランドである「オーガニックハウス」の利用を国内で唯一許されたのです。
この17年間、彼の建築思想・ コンセプト・ノウハウを徹底的に叩き込み、ブランドを守り抜いてきたという自負が私たちにはあります。
どこにもない家づくり
「オーガニックハウス」の家は、 住む人の感性を満たす、どこにもない家です。有能な建築家は、自身の高い感性を駆使して感性の高い家をつくりますが、オーガニックハウスの家は感性を満たす家を“理論”でつくります。この理論を築いたのがライトであり、それをマスターし、応用することで、だれでも感性を満たす魅力的な家を理屈で建てることができるのです。
このしくみは、どこにもない、私たちだけのつよみです。
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