『新建ハウジング』最新号
求められる「工務店BCP」
速やかな災害対応で被害を最小限に
速やかな災害対応で被害を最小限に
大野建設(埼玉県行田市、大野年司社長)は、各地で頻発する地震や豪雨などの自然災害に備えて、9月までにBCP(事業継続計画)を策定した。今後、本格的に運用する。
住宅のOB約3000世帯をはじめ医療施設や店舗、工場など多数の顧客の緊急的な安全・安心の確保に向けた初動対応から、数時間ごとに区切った段階的な対応、災害約2カ月後までに行う対応を定めた。自社が被災したり、人員・資機材が不足するといったケースも想定し、他県の建設会社と防災(災害時応援)協定も締結。同社常務の大野哲矢さんは「未曾有の大規模災害はいつ襲ってくるかわからない。工務店は地域の家守りとして、災害時の具体的な対応方法や役割分担を明確にしておく必要がある」と訴える。
他県企業と防災協定締結
災害時に互いに人員や資機材の確保・供給で協力する内容の応援協定は、長野県佐久市の池田建設、福島県いわき市のエコ・ビレッジと締結。池田建設は、自社の軽井沢営業所(長野県軽井沢町)が手掛ける別荘新築工事などを通じて以前から取引がある。エコ・ビレッジは、ともに加盟するJBN・全国工務店協会の活動を通して親交のある企業で、東日本大震災の際には、同社に対し大野建設の社員が現地に赴き、災害復旧に協力した。
近年、深刻さを増す職人不足問題を考えると、建設会社や工務店のBCPにとって、エリア外の他社との防災協定を盛り込むことは必須項目と言える。大野さんは「協定は災害対応拠点の分散化(=リスクヘッジ) につながる。いずれかが被災して機能不全に陥った時、離れた拠点が代替的な機能を担うこともできる」と説明する。
大野建設は昨年12月、災害対応の一環として、大工など建設職人で構成する埼玉県建設労働組合連合会(建設埼玉)と埼玉土建一般労働組合(埼玉土建)の県内2団体と技能者(職人)の供給に関する協定も締結している。同協定により両団体は災害時、同社の申し入れに応じて、一定の条件のもとに大工を紹介する。災害復旧など労働力が集中的に必要な状況で、人手を確保しやすいメリットがある。
過去の経験則では対応できないような自然災害が多発する中、同社は、住民の暮らしを下支えする地域企業として、万全の構えで有事に備える。
地域の「家守り」を全うする
大野建設(埼玉県行田市)が策定したBCPは ・・・・
⇒ 続きは、最新号『新建ハウジング タブロイド版 10月20日号に掲載しています。
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