国土交通省は10月4日、第1回建築BIM環境整備部会を開催し、BIM標準ガイドライン(ワークフロー)の策定に向けて企画・設計・施工・管理までのワークフローの標準化やメリット等を検討した。ガイドライン策定により、一貫したBIM活用を可能とする環境整備や建築業界全体の生産性の向上をめざす。
同ガイドラインは、建築計画や建物要素の入力方法、建物管理への展開など、発注者の目的に沿ってワークフロー等を明らかにして、BIMの活用方法を示すことを目的にする。BIMによるワークフローの標準化をすることにより、関係者間でBIMを通じ情報共有ができ、コミュニケーションがより活発化し迅速な意思決定や合意形成の実現をめざす。
BIM活用メリットとして、より早い段階で建物の姿や構造、仕様、コスト等をつかむことができ、建物のLCC(Life cycle cost)削減や工期短縮、品質向上につなぐことをあげる。また高品質な設計や図面間の整合を確保するとともに、設計の現場で頻発する手戻りによるスケジュールの長期化や、無駄なコストの発生を事前に防ぐことが可能になる。
施工においては、施工計画の最適化やコスト管理、工程管理ができるメリットがある。
今後、同ガイドラインに盛り込むBIMワークフローや成果物、要素別のモデリング等の内容検討を4回ほど行い、2020年3月にとりまとめる予定。
BIM(Building information Modelling)とは3次元の形状データとともにコストや仕上げ、管理情報などの建物の属性データを持つ建物情報モデルを構築するシステムで、コミュニケーションツールや建物の生産プロセス・維持管理における情報データベース、IoTやAIとの連携などが期待されている。
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