京セラ(京都市)は10月2日、世界初という”クレイ型”の住宅用リチウムイオン蓄電池を製品化すると発表した。2020年1月に蓄電システム「Enerezza(エネレッツァ)」として少量限定販売を開始し、同10月には年2万台程度の量産体制に入る。
最大の特徴は、蓄電池に使う正負の電極が”粘土状”であるという点。リン酸鉄リチウムなどの微粉の粒子材料と電解液をあらかじめ混ぜ合わせて粘土状にしてから使うため、同社ではクレイ型蓄電池と呼ぶ。
クレイ型は、電極層が厚く、セル内で正極と負極が完全に分かれた構造になっているため、変形してもショートする心配がなく、高い安全性を確保。さらに、従来の液体型蓄電池よりも少ない材料点数・工数で電池をつくることができるため、材料コストを約3割削減し、設備投資も少なくて済むという。
システムは、パワーコンディショナ、蓄電池ユニット、リモコンで構成。
蓄電池ユニット1台の定格容量は5.0kWhで、3台まで接続可能なため、最大15kWhまで貯めることができる。停電時の自立出力は2.0kVA、PV自立入力は1.5kVA。
また、屋内外どちらにも置けるよう見た目にもこだわり、継ぎ目をなくして、丸みを帯びたデザインとした。グッドデザイン賞2019を受賞。
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