経済産業省は10月3日、台風15号に伴う長期停電や停電復旧プロセスなどの検証を進めるため「合同電力レジリエンスワーキンググループ」を開催した。年末までに最終報告をする。
台風15号については、2018年の台風21号による停電戸数約240万戸と比較して、停電件数約93万戸と少なかったものの、千葉県内において復旧作業の前提となる現場の被害状況の確認や倒木の処理に時間がかかったことなどから、ピーク時から99%の停電が復旧するまでの時間は約280時間と昨年の関西で発生した台風21号の場合(約120時間)と比較して2倍以上だった。
停電の原因は、鉄塔設備の倒壊や倒木による鉄塔倒壊、飛来物による電柱倒壊など。比較的被害が軽い地域では復旧が早く進んだが、被害が大きい地域では復旧ペースが落ち、停電が長期化した。
情報を十分把握していない状況で、9月10日時点で約12万軒まで停電が縮小する見込みと報道したが実際、同12日時点でも47万戸が停電が継続するなど、甘い見通しをし地域住民に不安と混乱を与えた。
とりまとめに際しては、現場における被害情報の収集に時間を要した原因や住民に対するきめ細やかな正確かつ迅速な情報発信を行うために改善すべき点、自治体・自衛隊・他電力との協力体制の構築と運用、2018年の台風21号の停電における教訓が生かされたかなどをポイントに、具体的な対策を検討する。
10月3日の会合では、委員から停電の原因について、鉄塔倒壊の理由や台風による電柱倒壊はなかったのかなど、丁寧な解明が必要という意見があった。また、現場の被害状況の情報収集が遅かった理由を明らかにし、2018年の台風21号における反省が生かされていたのかを検証してほしいという要望があがった。
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