経済産業省は9月27日に第1回「健康投資の見える化」検討委員会を開催した。会社が従業員の健康を増進する取り組みにかける投資の金額や内容を「見える化」するための「健康投資管理会計ガイドライン」の作成や、健康投資をより促進するためのインセンティブ措置の検討を行った。2020年の4月にとりまとめを行なう。
初回は「健康投資管理会計ガイドライン」の骨子について議論した。「健康投資管理会計」の定義や基本事項、健康投資の考え方や効果、情報の開示、内部管理のための活用を盛り込む案が示された。
健康投資管理会計とは、企業による健康増進活動の「費用」と「効果」を「見える化」するための情報ツールであり、ガイドラインで健康管理会計の指針を示す。
健康投資は、(1)産業医等の人件費や業務時間などの時間投資(2)仮眠室設置等の空間投資(3)健康経営コンサルや健康データシステム導入などその他投資-を基本とする。
健康投資の効果として(1)株価や売上高、利益率などの会社の利益向上(2)従業員の健康状態や労働生産性の改善などの企業の健康資本(3)日本全体の医療費や介護費の削減や健康寿命増長-などが期待されている。
次回は健康投資の考え方について、3回目は健康投資の効果を中心にさらに議論する。
健康経営は従業員の健康や活力を向上させる中長期的な取り組みで、「ESG」(環境Environment、社会Social、ガバナンスGovernance)における「S」や「G」に位置づけられる。従業員の活力向上や生産性の向上等の組織の活性化をもたらし、結果的に業績向上や株価向上につながると期待されている。
健康経営は近年、大企業だけでなく地方の中小企業にも普及しつつあるという。
住宅ビジネスに関する情報は「新建ハウジング」で。試読・購読の申し込みはこちら。