「現代住宅は、蒸暑地域で『解』」を持ち得るか?」をテーマに今後のパッシブでローエネルギーな建築を考えるシンポジウム「PLEA in JAPAN」が9月28日に東京ビッグサイトで開催され、約100人が参加した。
「PLEA」(プレア)は「Passive and Low Energy Architecture」=パッシブで低エネルギーを活用する建築=の頭文字を取ったもので、建築の地域適合技術、環境設計技術、自然活用技術の開発と記録と普及を行なう国際会議。ほぼ毎年開催されており、日本では1989年に奈良、1997年に釧路で開催されている。
今回開催された「PLEA in JAPAN」はこのPLEAのコンセプトを東日本大震災後の日本で実践することを目的に開催されたもので、PLEA国際会議のボードメンバーの小玉祐一郎氏(神戸芸術工科大学)を中心とする準備会が主催した。
シンポジウムでは、小玉氏がイントロダクションレクチャーとしてパッシブデザインの現状と課題、可能性を整理。「ローエネルギーとハイエネルギーを区別して使う必要がある。給湯や暖房などローエネルギーで賄えるものはローエネルギーで賄うべき。あまりもにも多くをハイエネルギーに依存してきた結果エネルギー問題、住環境問題を招き、その弊害が東日本大震災で明らかになった」と指摘した。
続いて、国立シンガポール大学教授のT.K.スーン氏が、今後の建築・まちづくりのあり方を農業・貧困問題と絡めて解説。
最後に宿谷昌則氏(東京都市大学)、梅干野晁氏(東京工業大学)、塚本由晴氏(東京工業大学)、小泉雅生氏(首都大学東京)、三浦秀一氏(東北芸術工科大学)、久保田徹氏(広島大学)、吉野博氏(東北大学/まとめ)によるパネルディスカッションが行われ、パッシブデザイン/パッシブなまちづくりの可能性について、夏対策を中心に幅広く議論された。
今後も同様のシンポジウムを開催しながら、国際会議の開催を目指す。
住宅ビジネスに関する情報は「新建ハウジング」で。試読・購読の申し込みはこちら。