国土交通省は9月24日、台風15号で1万1000棟を超える「一部損壊」の住宅被害が出ている千葉県に対し、瓦屋根の修理費を補助する特例措置を実施することを明らかにした。瓦屋根修理などの補助金は、国交省の防災・安全交付金等で賄う。
従来の被災支援対象は全壊ないしは半壊であり、屋根補修などの一部損壊は補助対象外だった。住宅の被害が半壊以上の場合は、災害救助法に基づき、修理費用の補助が受けられる応急修理制度が活用できる。千葉県内の住宅被害は、強風で瓦屋根が壊れたなどの一部損壊が多くを占める。
今回の措置で、一部損壊に対する支援申請が千葉県内の自治体から国にあった場合、補助金全体の5割が防災・安全交付金で、4割が総務省の特別交付税、1割が自治体の負担となる。
今後、千葉県内での瓦屋根被害の現状を把握し、詳細な被害要件や補助率、上限額を早めに定めていく。一部損壊のうち耐震性向上の補修をした場合にも防災・安全交付金の補助対象になる。瓦は陶器や金属、セメント等を含む。千葉県以外の自治体支援は順次検討していく。
被害状況の認定調査は10月11日を目標に迅速に実施する。被害判断は台風後の降雨被害も加味し、屋根の被害面積も柔軟に対応する。屋根等から屋内浸水している場合は半壊、屋根瓦等に被害はあるが雨漏りなしは一部半壊等と判断するイメージになるという。
千葉県の9月23日までの集計によると、住宅被害は全壊100棟、半壊1266棟、一部損壊1万1201棟、床上浸水47棟、床下浸水67棟の計1万2681棟だった。
瓦屋根補修支援の特例としては、2019年6月の山形県沖地震の被災者向けに、最大40万円(工事費の20%まで)の補助を実施している。
住宅ビジネスに関する情報は「新建ハウジング」で。試読・購読の申し込みはこちら。