国立社会保障・人口問題研究所の「人口移動調査」によると、40〜50歳代を中心に、出生した都道府県から就職などをきっかけに転出し、調査時点で生まれ故郷に戻っていた人の割合(=Uターン率)が上昇していることがわかった。
この調査は、5年ごとに同研究所が実施しているもので、今回で5回目。無作為に選んだ調査地区の3万5292人から有効回答を得た(01年7月1日時点)。
これによれば、Uターン率は男性31・5%(4.6ポイント増)、女性27・4%(2.5ポイント増)で前回調査より上昇。その多くは、地方へのUターンという。
移動理由としては、「住宅を主とする理由」35・7%が最も多く「結婚・離婚」15・7%、「職業上の理由」13%がこれに続いた。前回調査と比べ「結婚・離婚」(12・8%→15・7%)や「親や子との同居・近居」(4.9%→7.4%)の割合が増加。逆に、「職業上の理由」や「親や配偶者の移動に伴って」という割合は減少した。
一方、今後5年間に引越しを見通している人の割合は16・4%。過去5年間の移動実績(24・4%)や、前回調査での移動見通し(20・5%)を下回る結果となった。ただし、このうち「大都市圏から地方に移る」と答えた人が6.1%おり、「地方から大都市圏に移る」とした4.5%を上回り、前回調査とは逆転する結果となった。
また、今後5年間の引越しを見通す50〜60歳代前半の男性のうち、「定年退職」を理由とする割合が上昇。同研究所では、「今後、第一次ベビーブーム世代の定年退職が本格化すると、非大都市圏への移動が増加する可能性もある」とみる。
■国立社会保障・人口問題研究所 TEL:03-3595-2984
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