経済産業省は9月17日、産業構造審議会成長戦略部会を開催し、第4次産業革命に対応した「企業組織・経営」のあり方として、大企業が中小企業のデジタル技術向上に協力する仕組みを検討していく方針を示した。
2019年6月に閣議決定した「成長戦略実行計画」では、大手企業と中小企業の共存共栄構築の必要性が指摘されている。
大企業と中小企業が互いに稼ぐための具体的な取り組みとして、(1)取引関係の適正化など取引関係の再構築、(2)異業種間での共同開発などによる付加価値の獲得、(3)デジタル技術を中心としたオープンイノベーションの推進や人材開放などの大企業のリソース開放――などを今後部会で検討していく。
財務省の「法人企業統計」によると建設業の場合、1社あたりの売上伸び率は大手企業27.8%で中小企業22.9%、粗利益の伸び率は大手企業74.4%で中小企業42.4%といずれも大手企業の伸びが大きい。業界全体で大企業と中小企業がコストアップを公平に負担し、中小企業の生産性向上を大企業が後押しすることで、経済全体の付加価値を高めることを目指す。
年内に中間とりまとめをおこない、来春に最終とりまとめを行う予定。
中小企業庁では、10月中に価値創造企業として成長する中小企業の成長モデルを検討するため、「価値創造企業に関する賢人会議 」(仮称)を、同部会とは別に開催する。
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