みんなの学校リノベーションで 「未来の大工」を育てよう
中学生が職場体験で地域材使い木質化
静岡県西部の工務店や設計事務所などで構成する静岡木の家ネットワークは9月2・3日、大工の仕事の楽しさや意義を伝えようと、浜松市立笠井中学校の「職場体験学習」に協力し、生徒たちが同中学校舎の保健相談室と学習室を自らの手でリノベーション(木質化)するのをサポートした。社会貢献の一環として地域の中学校のキャリア教育に協力しながら、地元の子どもたちに大工の仕事に興味を持ってもらうことで、「未来の大工」の育成につなげたい考えだ。
地元の大工の指導を受けながら、大工の仕事を体験したのは、同中学の2年生11人(男子6人・女子5人)。地場産材の「天竜杉」の板材を使って2室・約22坪分の面積を木質化する作業を行い、汗を流した。
同中学の職場体験の受け入れは、同ネットワークで大工育成委員長を務める村木建築工房(浜松市)社長の村木幹直さんが、7年ほど前から毎年続けてきたもので、校舎のリノ ベーションを行うのは3年目。生徒の手により、最初の年は保健室を木質化し、2年目は昇降口の正面の壁を覆い尽くす巨大な木の掲示板を設置した。それまでは同社の施主宅のウッドデッキの施工を行っていた。
村木さんは、学校で大工の職場体験を行うことの意義について、「作業を体験する子どもたちにものづくりの喜びを直接感じてもらい、大工の仕事に興味を持ってもらえるということはもちろんだが、作業中の様子や出来上がったスペースを通じて、そのほかの生徒や先生、保護者などたくさんの人たちに大工や地域の工務店の存在(仕事)をアピールすることができる」と話す。3年目の今年は、初めて女子が参加したが、その中には「去年、作業しているのを見て、とても楽しそうだったから」という声もあった。
高齢化による大工の就業者数の減少や若手不足は、住宅業界にとって待ったなしの課題だ。これまで同社単独で行ってきた同中学の職場体験への協力を、今年初めて同ネットワークの活動の一環に位置づけた背景には、大工の仕事への興味や理解を広げる波及効果の大きい「職場体験×学校リノベーション」を一つの仕組みとしてネットワーク会員などに展開しながら、「大工になりたい」と望む若者を少しでも増やしていきたいという狙いがるる。
職場体験の一環として浜松市立笠井中学校で行った保健相談室と学習室の木質化リノベーションに参加した同中学2年生の11人の生徒 は、プロの大工から・・・・
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