資産運用プラットフォーム事業を展開する大和財託(大阪市)はこのほど、東京・大阪・愛知のミドル世代30~50代のビジネスパーソン540人および定年退職者150人に実施した「老後資金の準備に関する意識調査」の結果を発表した。それによると、ビジネスパーソンの82.9%が貯蓄・資産運用をする理由を「老後の生活費」のためと回答していることがわかった。
ビジネスパーソンに将来設計に向けて行っている貯蓄・投資などの対策を聞いたところ、「定期預金」が44.1%と最も多く、「定期・終身保険」(30.0%)が続いた。71.7%の人が何らかの対策をしているものの、資産を増やす「株式投資」(27.6%)、「投資信託」(23.9%)、「不動産投資」(3.0%)は比較的少ないことがわかった。
個人の貯蓄額が500万円以上ある割合は、30代で26.0%、40代で27.4%、50代で38.4%だった。老後に向け、50代で貯蓄額が増加していることがわかる。定年退職後の生活については、42.3%が「趣味・娯楽、友人と遊ぶ」と回答しており、ゆとりある老後のために余裕を持った資金準備が必要であることが判明した。
定年退職者に退職後の生活資金源を聞いたところ、「公的資金」が46.7%、「貯蓄」が18.3%、「再就職による給与」が10.2%、「資産運用」は8.3%だった。定年退職者の79.3%が退職前に比べ生活水準が「低くなった」と感じており、70代では57.2%が退職前に老後の生活への対策や準備を行わなかったことを「後悔している」と答えている。今後、年金資金は減少すると予想されているため早めの対策が必要だと考えられる。
定年退職者が1日の生活に費やす時間は、「趣味・娯楽」が最も多く3.81時間だった。一方、「特に何もしない」は2.51時間になり、「家族との団らん」1.62時間よりも多いという結果になった。同社は、老後の過ごし方に迷う「ひまいご(暇×迷子)シニア」が増えているとしている。
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