帝国データバンク(東京都港区)はこのほど、「人手不足の解消に向けた企業の意識調査」を実施し、その結果を発表した。現在の従業員の過不足状況ついて、正社員または非正社員のいずれかが「不足」していると回答した企業は5461社と半数を超えた。人手不足と回答した企業に対してどのような部門・役割で不足しているか尋ねたところ、「生産現場に携わる従業員」(57.2%)がトップとなった。同回答をした企業は「製造」「運輸・倉庫」「建設」で多く、「工事現場の現場代理人が足りていない」などの意見がみられた。次いで、「営業部門の従業員」(47.7%)、「高度な技術を持つ従業員」(37.0%)となった。
人手不足による影響として最も多かった回答は「需要増加への対応が困難」(50.5%)。なかでも、五輪関連の需要が続く「建設」や、荷動きが活発な「運輸・倉庫」などで高水準となった。
今後積極的に活用したい人材は「シニア」が29.2%で最も多く、「女性」も27.9%と近い水準で続いた。「外国人」は13.7%、「障害者」は1.1%にとどまった。
人手不足解消に向けた取り組みとしては「賃金水準の引き上げ」(38.1%)がトップとなった。「職場内コミュニケーションの活性化」(36.7%)、「残業などの時間外労働の削減」(35.0%)、「業務プロセスの改善や工夫」(31.3%)と続いた。社会全体としてどのようなことに取り組むべきかについては、ハローワークなどの「職業紹介機能の強化・充実」(32.6%)と回答した企業が最も多かった。「働き方改革の推進」(29.7%)、「社会保障制度の見直し」(26.9%)、「労働市場の流動化」(26.8%)、「通年採用の拡大」(25.5%)などが続いた。
調査期間は 2019年8月19日~31日。調査対象は全国2万3638社で、有効回答企業数は1万7社(回答率42.3%)。
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