2006年の住宅用火災警報器の設置義務化から10年が経過し、機器の電池寿命や電子部品の劣化が進んでいるとし、消防庁や日本火災報知器工業会、製造メーカーらが機器の取り換えを呼び掛けている。
パナソニック ライフソリューションズ社(大阪府)では、本体交換時期がピークを迎え始めた2年ほど前から注意喚起を行ってきたが、まだ取り換えが進んでいないのが現状と言う。
義務化以降、2006年で約1000万台、2007年で約1500万台、2008年で約2400万台の住宅用火災警報器が設置されており、これらが今、本体交換時期を迎えている。
中でも義務化初期に流通した、警報音を「電池切れです」や「火事です」などの音声ではなくブザーのみで知らせるブザー音タイプは、2600万台以上設置されている。「このブザー音タイプは電池切れの場合、「ピッ」という音が数秒ごとに鳴るだけで、その音が電池切れのアラームだと気付かずにそのまま電池切れになっている可能性がある」(同社担当者)と、警報機を設置しているにもかかわらず電池切れに気づかないまま放置している状況があることをもっとも危惧する。同社では、今後もブザー音タイプの警報音を紹介するなどして、点検・交換の定着を促し、啓発を行う。
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