積水化学工業の調査研究機関・住環境研究所(東京都千代田区)は7月、東日本大震災によって住意識や住まいの選び方がどのように変わったのかを明らかにするため、慶応義塾大学商学部・清水研究会(清水聰教授)と共同でWEB調査を行った。調査対象は既婚の一般消費者1088件および住宅検討者981件。
まず、遠くに住む親族(両親や子ども)との距離感について聞いたところ、「遠距離にいる親族を呼び寄せたり、近くに引っ越すなど、できるだけ近くに住もうと考えるようになった」とするひとが震災前の25%から33%に増加。20代の若年層ほど親族との近居意向を示した(震災前30%⇒後44%)。「地域社会との関係を深めたい」とするひとも震災前の27%から震災後37%に増えた。ここでも20代の地域参加意向(震災前23%⇒後40%)が顕著だった。
住宅検討者には住まい選びにおいて重視するポイントの変化を聞いた。震災前は「住宅の間取り」「住み心地、快適性」「住宅の取得費用、価格」がいずれも84%で上位を占めていたが、震災後は「地震・台風時の住宅の安全性(87%)」「冷暖房などの省エネルギー対応(81%)」「高齢者への配慮(70%)」が増加。デザインや広さ・部屋数などの重視度が下がった。
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