国土交通省と経済産業省は8月8日、注文戸建て住宅等に係るトップランナー基準の具体案を住宅・建築物の省エネ基準の改正に関する合同会議で示した。目標年度を2024年度以降とし、外皮性能と一次エネルギー消費量の削減率で設定する。外皮基準については、各年度に供給する全ての住宅が省エネ基準に適合することとした。一次エネ基準については、各年度に供給する全ての住宅の平均で、省エネ基準に比較し25%削減とした。対象は年間300戸以上供給する住宅事業者。
注文戸建て住宅および賃貸アパートの住宅トップランナー制度が2019年11月から、工務店等が建築主に対して省エネ性能などを説明することを義務付ける「説明義務制度」が2021年4月から始まる。
既に、年間150戸以上の建売戸建て住宅を供給する住宅事業者を対象に課されているトップランナー基準は、現行のまま目標年度2020年度以降で、外皮基準については注文住宅と同じ、一次エネ基準については15%削減とする。
同日、戸建て住宅等の省エネ性能評価方法の簡素化に向けた具体案も示された。工務店を対象に、外皮性能と一次エネルギー消費性能を手計算でできる仕組みとする。
外皮性能は、地域区分や構造等に応じた手入力できる簡易計算シートを作成。市場に流通している戸建て住宅の形態を踏まえ、部位別の面積割合について固定値を設定し、断熱材以外の断面構成要素(内装下 地材等の面材、空気層等)の熱抵抗値等についても固定値とすることで、カタログに掲載してある断熱材や窓の仕様のみの情報で外皮性能を算出できる評価方法をとるとした。
一次エネルギー消費性能は、空調設備の種類など簡易な情報のみで算出できる評価方法をとるとした。市場に流通している各種設備ごとに、性能に応じてポイント数を設定し、外皮計算から得られた外皮性能(UA値、η値)および設置する各種設備に対応したポイント数を合計し、一次エネ基準への適否を判断する。
今後のスケジュールは、9月に建築物エネルギー消費性能基準等に係る省令・告示案を検討。10月24日にはとりまとめを行う。
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