野池政宏氏(住まいと環境社)が提唱する「1985運動」(Forward to 1985 energy life)の初イベント「2011大集会」が9月17日、名古屋市中区役所ホールで開催された。工務店、設計事務所、資材メーカー、資材商社などの住宅事業者を中心に全国500人超が参加した。
「1985運動」は東日本大震災・福島第一原発事故を受け、住宅の省エネ化と住まい方の工夫で家庭部門の消費電力・消費エネルギーを「半分」にすることを目指す「半分運動」。それにより「究極の省エネルギー社会」の実現と脱原発依存を進める。
その手法として、新築については建物の躯体の性能を高めたうえで太陽や風などの自然エネルギーを最大限活用する「パッシブデザイン」、既存住宅については省エネ改修などの手法を提案する。
当日は、提唱者で実行委員長の野池政宏氏による開会宣言で開幕。野池氏による運動の趣旨と今後の展開の説明に続き、パネルディスカッションが行われた。
パネラーは小林光氏(慶應義塾大学情報学部大学院教授、元環境省事務次官)、濱惠介氏(エコ住宅研究家、独立行政法人都市再生機構都市デザインアドバイザー)、上岡裕氏(NPO法人エコロジーオンライン理事長)、三浦祐成(新建新聞取締役局長)、澤木久美子氏(アトリエ空一級建築士事務所)で、省エネ化の現状と課題、1985運動の普及方法などを議論した。
冒頭や各セッションの合間には、岡田武史氏(元サッカー日本代表監督)やトータス松本氏(ミュージシャン:ウルフルズ)など著名人/学識者/実践者から寄せられた賛同・応援メッセージが読み上げられた。
最後に、2025年頃までにこの「半分運動」を達成することを誓う大会宣言を、参加者を代表してエコワークス・小山貴史社長が読み上げ、満場一致で採択された。内容は以下のとおり。
今後は地域にアドバイザーを置いて運動の普及啓発を進めるほか、エコハウス/エコライフのコンテストなども行う。来年に東京で1000人規模の集会を開催する計画も発表された。
大会宣言
大会宣言
東日本大震災、福島原発事故を深く心に刻み、
できるだけ早く、豊かで、人間的な、究極の省エネルギー社会をつくるために、
2025年頃までに日本の家庭部門のエネルギー消費量と電力消費量を半分にすることを目指し、
ここに集まった人のすべてが、自分にできることを考え、
実践していくことを誓い、それを宣言します。
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