化学物質による室内空気環境の改善に大きく貢献するとして期待される木炭粉混入ポリアミド樹脂系塗料「ヘルスコート」について、財団法人ベターリビングは3月26日、ホルムアルデヒドおよびトルエンでの性能証明試験において、それぞれ24時間で80%を上回る濃度低減効果を示したことを明らかにした。
この試験は、液状木炭による化学物質の吸着・分解効果を調べるため、アーテック工房(株)(横浜市港北区・吉松道晴社長)が開発・商品化している「ヘルスコート」を塗布した試験体を20㍑の小型チャンバーにいれ、一方から一定濃度のホルムアルデヒドを送入し続け、他方から排出する気中濃度低減効果を確認する実験(換気量0.5/h)。
この結果、24時間後の排出ホルムアルデヒド濃度は83%の低減効果を示したばかりか、高濃度のメタノールが検出され、このことにより「ホルムアルデヒドがメタノールに転化し、無害化される液状木炭の吸着・還元機能が確認された」と同社では評価している。
この実験ではまた、蟻酸が試験開始から丸5日間検出されず、蟻酸に転化する酸化反応が見られなかった。
また、同様にトルエンで行った試験においては、24時間後の濃度が81%低減された。
今回吸着、分解効果で成果を収めた「ヘルスコート」は3月9日に不燃材料としての国交大臣認定を取得しており、今後はダニ・カビの発生を抑制する調湿効果に加え、化学物質を吸着し、還元作用により無害化する効果を持つ「機能を持った下地材」として普及が期待される。
同製品では、大手住宅メーカーなどが競って新商品への活用を進めているほか、末期ガン患者を収容する医療機関などでの採用が急がれている。
■アーテック工房 TEL:045-540-6261
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