国土交通省は8月2日、共同住宅に係る不適合事案の再発防止策等に向けた「共同住宅の建築時の品質管理のあり方に関する検討会」で外部有識者委員会がとりまとめた報告書を公表した。
同委員会では、今後の制度面の課題への対応として、(1)特定行政庁間の違反情報の共有、(2)工事監理ガイドラインの追補、(3)大手賃貸共同住宅供給事業者において対応が望まれる品質管理の高度化指針の策定、(4)工事監理者通報窓口の設置、(5)中間検査の推進、(6)型式部材等製造者認証の審査の強化、の6点を求めた。
そのうち、「工事監理ガイドラインの追補」では、賃貸共同住宅(鉄筋コンクリート造等を除く)の工事監理を適正化するため、現在の工事監理ガイドラインを追補する「賃貸共同住宅に係る工事監理ガイドライン」の策定を提言。「工事監理方針の説明等」や「設計図書に照らした施工図等の検討及び報告」など具体的な内容を例示し、検討等の記録を適切に保管することを求めるものとすべきことを指摘した。
また、中間検査および完了検査において、同ガイドラインへの準拠を確認し、目視、工事写真の確認等を通じて、工事が設計図書のとおり実施されたものであることを確認すべきとした。
「型式部材等製造者認証の審査の強化」では、事業所等の設計部門で作成された個別の設計図書の型式適合について、本社等が監査を行う仕組みが確立されており、監査が計画的に実施されていることを指定認定機関が審査するよう、基準の強化を提言。さらに、全社的な設計業務に関する法令順守体制、事業所等の設計に対する全社的な型式適合の確保方策、本社と事業所等の間の情報共有や本社による事業所等に対する教育の状況についても確認すべきことを指摘した。
住宅ビジネスに関する情報は「新建ハウジング」で。試読・購読の申し込みはこちら。