高性能住宅をリーズナブルな価格で供給していくことを目指す「真の住まい造り推進グループ」は9月15日、長野県長野市内で発会式を開き、正式にスタートした。山下恭弘信州大学名誉教授の呼びかけで結集した産学共同グループ。ビルダー・工務店、建材メーカー・商社、学識経験者を主なメンバーとし、今後、全国規模で会員を募っていく。
次世代省エネ基準より一段高いレベルの住環境を地域に根付かせることが目的。セミナーを開催してビルダー・工務店のスキルアップを支援するとともに、学識経験者を中心とする委員会で断熱気密性能の自主的な評価・認証を行う。設計・施工品質の安定化を図りながら、熱損失の少ない住宅の社会的な認知度・信頼度を高めていく考えだ。
自主的な性能評価・認証は3段階で行う予定で、クラスAが年間冷暖房負荷15kWh/㎡(ドイツなどで採用されているパッシブハウス基準)、クラスBが同30kWh/㎡(次世代省エネ基準Ⅲ地域の1/4・3)、クラスCが同50kwh/㎡(同じくⅢ地域の1/2・6)。このレベルの性能を、坪10万円以内のコストアップで実現できるようにする。 仕様は問わない。
山下恭弘信州大学名誉教授は趣旨説明で「国の省エネの方向性はいま、高効率設備による『アクティブ住環境』にウエイトが置かれている。だが、これは大手企業の論理で、本当の省エネにはならない」と指摘。
「重要なのは、器の強化による『パッシブ住環境』の住まいづくり。地域のビルダー・工務店はそこを目指してほしい。国の方向性や基準に引きずられず、むしろその呪縛を断ち切って、自分たちの信じる水準を目指していこう。そこに地域産業の活路もある」と呼びかけた。
会長には山下名誉教授を選出。問い合わせは山下研究室(長野県長野市電026・213・4092)まで。
住宅ビジネスに関する情報は「新建ハウジング」で。試読・購読の申し込みはこちら。