内装建材製造会社であるリンクス(沖縄県石垣市)は9月から、レンガ積み外壁の木造住宅「honrenga(ホンレンガ)」のフランチャイズ展開を本格化する。オリジナルレンガとレンガ積みのノウハウを提供する。既に福岡県や沖縄県、埼玉県で5社が加盟している。9月10日に福岡県内で説明会を開催する予定。2019年度中に50社、3年後に150社の加盟をめざす。
木造軸組工法+通気層+レンガ積み外壁の躯体が特徴。これにより、強風による飛来物や紫外線による劣化、塩害に耐えることができるという。レンガ積み外壁は塗り直しや積み替えなしで、100年以上持つ。レンガと内装材による調湿効果もあるという。
6地域向けの仕様でUa値0.34W/m2・K、耐震等級は3相当。断熱材はセルロースファイバーで、壁は105mmの充填、屋根は160mmの吹き込み。基礎断熱でMSフォームを敷設している。窓は2階にエクセルシャノンのトリプル樹脂サッシ、1階に複層樹脂サッシを使用。換気は第一種。
4ライン全20色の中国および日本産レンガを使用して積むことで、様々な立体的な陰影を壁につくることができる。
価格は30坪で2280万円。通常外壁の住宅と比較し坪10万~20万円高くなる。関連会社のファインライフ・カンパニー(福岡市)では、年間45棟を施工している。ユーザーは30代後半の一次取得者が多い。
FC加盟金は50万円。毎月のサポート支援費用として1エリア5万円がかかる。年間15棟ほど施工する場合、3人ほどのレンガ積みを含めた多能工職人が必要。職人の確保にかかる費用は、1人あたり年間800万~1000万円。FC会員において最初の1棟については技術指導を無料でする。
レンガ積み職人として、中国からの技能実習生を紹介することも可能。要望してから8カ月かかる。同社は来年、中国からの技能実習生を受け入れる組合を設立する計画を立てている。現在、同社は16人の中国人技能実習生を受け入れている。
「honrenga」住宅は、住宅用建築工法 (蒸暑地住宅工法)として2018年にグッドデザイン賞を受賞している。地域の環境にあった木造住宅を低コストで実現できるようにしたことが高く評価された。
リンクスの本社がある石垣島は、高温多湿で年間の気温差は小さく、冬期でも16℃前後の暖かさで10℃を下回る日はほとんどない。台風常襲地域でもあり、年間を通じて風が強く、梅雨期以外にも雨が比較的多く降る蒸暑地に当たる。猛烈な風と飛来物、湿度、蟻害、塩害、紫外線という蒸暑地域特有の環境の中、多くの人々がRC造住宅に住んでいるが、湿気によるカビへの対策や、紫外線や塩害から家を守るための数年単位での塗装、台風後の家洗いが必要で、負担となっている。
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