国土交通省は7月30日、都市計画基本問題小委員会において、現時点で見えてきた立地適正化計画制度の課題を解決し、コンパクトシティ政策を次のステージに進めることを目的とした中間とりまとめを公表した。今後、中間とりまとめに基づき、居住誘導区域における生活利便施設の立地促進やハザードエリアへの住宅の立地抑制など、次期通常国会での制度化や、2020年度予算概算要求等をめざして、具体化に向けた検討を進める。
客観的なデータ等に基づき、目標値や居住誘導区域の範囲を設定し、住民へのアカウンタビリティ(説明責任)を持ち、居住誘導区域において日常生活に必要な病院等の適切な立地を促進することや、様々な分野の政策の推進基盤として関連する計画や政策分野(公共交通、住宅、健康・医療等)との連携の強化や市町村の単位を超えた広域連携を促進する仕組みを整備すること、開発許容区域の限定、地区計画の活用など、コンパクトシティや開発許可制度の趣旨に則った運用をすること、などを盛り込んだ。
立地適正化計画等と防災対策の連携も図る。土砂災害特別警戒区域等を居住誘導区域から除外することや、防災部局と連携した居住誘導区域内・外での地域特性に応じた安全確保、ハザードエリアから居住誘導区域への自主的な移転支援、災害リスク情報の提供等を進める。
2014年の改正都市再生特別措置法の施行により、立地適正化計画制度が創設されて5年、468都市で立地適正化計画について具体的な取り組みが行われ、250都市で立地適正化計画が作成・公表しているが、コンパクトシティの多岐にわたる意義等を再整理し、住民・行政等で共有し、わかりやすい形で発信することで、住民等の理解を促進することが狙い。
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