NPO法人・健康住宅普及協会(大阪市西区)では、本年6月より個人単位資格「健康住宅指導員」の認定試験開始を視野に入れたワークショップを開催。会員工務店や設計士の関心と反響を集めている。
同協会では、健康住宅の条件としてまとめた定義、「8つのポイント(*1)」に添った指導員制度を設定している。
しかし、そのポイントを会員だけでなく、全社員、協力業者までが正しく理解し、現場や営業で本当に使える知識を身につけて施工する必要性が求められている。
ワークショップは、そうした個々の会員の協力業者まで含めた、個人の能力レベル向上に応えたもの。昨年より大阪、東京で展開。延べ54社93人が参加した。
ワークショップの内容は、高気密・高断熱・計画換気による「熱環境」の問題、高齢者対応の「光と色彩」、ダニ・カビの生じにくい「空気質や換気」など多肢に渡り、8つのポイントを専門家の立場からより深く理解し、現場の家づくりに生かそうとするもの。
講師には、▼長谷川寿夫氏(北方型住宅における熱環境と空気環境の今日)▼青山信英氏(音・振動の基礎知識と健康的住宅としての防音・防振対策)▼武田暢高氏(気密測定実施による高気密住宅の確認意義と省エネ・健康住宅設計へのデータ解析による提案)▼吉川翠氏(ダニの健康障害の現状と居住空間ダニ被害対策の最前線)など。メーカーとしては、鐘淵化学工業、大日本塗料、コーナー札幌、アルメンプランなどが参加。
同協会は、厚生労働省・厚生科学研究補助金による研究事業として、過去5年間にわたり、引き渡し完成物件に客観的な測定診断を行ったうえで健康住宅として認定する認定制度を実施。今後、完成物件全棟の認定制度を義務付ける方向だ。
健康住宅の「8つのポイント」
【1】結露・カビが生じにくい
【2】ダニの生息密度が低い
【3】高齢者対応型(光・色彩にも配慮)
【4】音環境と共存する
【5】床下環境が良好
【6】夏季の高湿度・冬季の過乾燥を生じない
【7】居室内空気環境が良好
【8】温度差がなく快適省エネ住宅
■NPO法人健康住宅普及協会
TEL:072‐696‐2434(関西支部) TEL:03‐3538‐0701(関東支部)
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