木材加工・販売の宇都(うと)製材所(宮崎県小林市)はこのほど、本体価格を300万円程度に抑えた小型2×4住宅「小さなおうち・ポケットハウス」の企画・販売を始めた。子供の勉強部屋や若年層のスターターハウスとしての販売実績が伸びるなど好評で、近く全国の工務店・不動産会社を加盟対象に「小さなおうち友の会」を立ち上げる。
「小さなおうち・ポケットハウス」(以下「ポケットハウス」)は、2×4構造で平屋+一部ロフト付き、3〜20坪程度の小規模なもの。シングル屋根に外壁はサイディング、内装はフローリングに壁材としてOSB合板を用いる。価格はバルコニー付きで1階床面積7・5坪の「ポケット・フォレスト」(写真)が、設備を含まない本体価格で325万円と低価格だ。
同社営業企画部では「工法自体は珍しい物ではないが、リゾート地の宿泊施設などでしか見かけなかった小規模住宅に『住む』という考え方は今までなかったのでは」(立箱尚登部長)と話す。
同社では、2003年にモデルハウスを3棟建築。特に宣伝はしなかったが、土日で8組が実物を見て相談に来るなど反響が大きく、その後半年で10棟を受注した。
立箱氏は「いわゆるローコスト住宅ではなく、車を買うのと同じレベルで考えられる『遊び感覚の家』として評価されている。また、親と同居している世代の関心も高い」としている。
全国での普及を目指し、新たに立ち上げる「小さなおうち友の会」では、一般的なFC・VCとは異なり工法や部材の供給は行わない。入会金30万円で商標が使用でき、地域に合わせて値段設定をした社名入りカタログ制作、図面・実行プラン制作は有料で請け負う。
同社代表の宇都求氏は「ポケットハウスが住宅の新たなカテゴリーとして認知され、各地の地元企業によって普及するよう支援していきたい」と、意気込みを見せる。
■宇都製材所 TEL:0984-23-6111
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