高松コンストラクショングループの高松建設(大阪市)と青木あすなろ建設(東京都千代田区)はこのほど、非破壊検査(大阪市)と3社共同で、建築構造物壁面の点検技術向上を目的とした「壁面走行ロボットによる外壁点検システム」を開発した。8月から実際の建物で運用を開始する。
同システムは、ロボットが壁面を自走して壁面を打診し、診断結果をデータ化・分析・蓄積することでより高精度な診断が期待できるもの。壁面走行ロボットは、中心部に空気を吸引するための「バキュームチャンバー」を備え、それを取り囲むように配置されたローラーの回転により、壁面を吸着しながら走行。打診測定機やカメラを搭載し、タイル剥離やクラック等の検査を行う。
また、検査から正確な劣化位置をデータ化し、パソコンで外壁面の劣化状況を図示化する。計測データは経年変化の累積情報として蓄積し、改修履歴とともに保存することで、将来の建物の維持管理計画に活用できる。
同システムは、長さ610mm、幅533mm、高さ440mm、重量30kg程度と比較的小型。設置や操作方法も簡便なため、比較的規模の小さい建物や隣地境界と空きの少ない建物の検査に活用できる。走行は壁面の材質にかかわらず可能で、最大速度は64mm/秒。19mm程度の段差乗り越えや緩やかな曲面部でも走行できる。
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