住宅の断熱化を進める専門家などの有志で構成された「2020年を見据えた住宅の高断熱化技術開発委員会(HEAT20委員会)」は、戸建て住宅の新たな外皮性能水準を明らかにした。これまでの最上位基準である「G2」よりも更に外皮性能水準が高い「G3」を提案した。
戸建て住宅におけるG3の外皮性能水準は、6地域(東京)においてUA値0.26W/m2・K、2地域(札幌)ではUA値0.20 W/m2・Kとした。2地域(札幌)におけるG1のUA値は0.34 W/m2・K、G2のUA値は0.28 W/m2・Kで、6地域(東京)におけるG3のUa値の方が高い。
G3の暖房期最低室温は、3地域(盛岡)~6地域(東京)で概ね15℃を下回らない、7地域(鹿児島)で16℃を下回らないように設定。2016年省エネルギー基準と比較した暖房負荷削減率は、1・2地域(札幌)で約50%、3地域(盛岡)で約60%、4地域(仙台)では約70%、5地域(宇都宮)~7地域(鹿児島)で約75%。
6地域におけるG3の仕様例として、天井はグラスウールでλ値(熱伝導率)0.034 W/m・K、厚さ210mmの吹き込み、壁はプラスチック系断熱材λ値0.022W/m・K、100mmの外張りとグラスウールλ値0.034W/m・K、105mmを充填、床はプラスチック系断熱材λ値0.022W/m・K、200mm(根太+大引間)、窓はU値1.3W/m2・K、玄関ドアはU値1.75W/m2・Kを示した。
HEAT20におけるグレードG1~G3は外皮性能(断熱・遮熱性能)基準と一次エネルギー消費量基準を設けているが、今後、気密性能水準の提案を予定している。
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